「人ではなく、時計と競争する―人間国宝の仕事術」

（大場松魚漆芸家）

“我われの仕事には、朝も夜も昼も夜中もないんです。朝から晩までずっと漆から離れられない。仕事するにあたっては、人間なんてもの、相手にしていたってしょうがない。皆、疲れてくると決まって能率が下がる。それですぐ、負ぁけた、やめたと言って投げ出しちゃう。人間のように頼りないものはないですよ。だから、私は時計と競争する。ひとつひとつをきちっと積み重ねてあせらず仕事をやっていけば立派な仕事ができる。一生どれだけやれるかわからないがこれは一生の課題。どこまでやれるかと。“

仕事は自分との戦いで、時計という誰にでも平等で正確に時を刻むものと競争すること、すなわち、結果に拘って取り組むことが大切だということだと思います。

人間相手では、感情や気分、体調で結果が変わってしまいますから、いついかなる時も同じ時を刻む時計と向き合うことで、自分を高めているのです。

時計を負かすことはできませんが、予定よりも早く仕事をすることで勝ったような気分になりますし、自分で目標を決めて全力で取り組めば、達成感や充実感を味わうことができます。

淡々と時間を刻む時計のような仕事も必要な時はありますが、人間は考えたり、工夫したり、閃いたり、技術を磨いたり、改善したりすることができる生き物であり、それをするから個性が生きてくるのだと思います。

ただ、仮に淡々と時間を刻む仕事だとしても、その中身に個性を活用することで、とても有意義な時間となるものです。

自分の個性で色々な人に喜んでもらい、毎日の仕事を楽しい時間にしていきたいですね。

今日もよりみんなの役に立てるよう、全力で感じて動いていきましょう。

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