「マザー・テレサはなぜキレなかったのか」

（渡辺和子ノートルダム清心学園理事長）

“私はマザー（テレサ）から、キレそうな時に、キレないですませる方法を教えていただきました。マザーがふと、「シスター、私はフラッシュが一つたかれるたびに、死にゆく魂が神様のみもとに安らかに召されるように神様と約束をしてあるのです」とおっしゃったのです。生きている間、いいことがちっともなくて、神や人、世間を呪っていた人たちの魂が「サンキュー」と言って穏やかに、この世と和解して死んでいくために、煩わしいけれど、疲れているけれど、笑顔をするんです、と。その上、「今日はまだ祈っていないから」と、寒いチャペルでストーブもつけずに、寝る前に1時間お祈りを捧げられました。マザーは祈りを大切にした方でした。“

いつも穏やかで笑顔でいる。「克己復礼」己の感情に打ち克ち、礼儀にかなった行動をし続ける。その裏には自分自身の心の葛藤と戦い続けているのだということですね・・・。

マザーテレサのような方でも、心の葛藤と戦っているのですから、そう思うと私たち凡人が、怒りや不安と戦い続けているのは当然の事だと思います。

怒りや不安な自分との戦いに打ち克って、礼儀にかなった行動をしていくには、心のゆとりや豊かさが大切になってくると思います。

マザーテレサのように「人にやさしく、自分に厳しく」をどうやって作るのか、それが問題ですね。

私は、考え方と日ごろの積み重ねで、色々な出来事を想定の範囲内にしていくことで「こころのゆとり」は生まれると思います。

毎日いろいろなことが起こっていますから、その一つ一つを前向きに捉え、「どうしたらより良くなるか」を考え、行動し、技術と知識を磨いておく、小さな約束でも守っていくことが大切だと思います。

当たり前のことを余裕を持ってやれる自分をつくり、安全安心な仕事を提供していきたいですね。

今日もよりみんなの役に立てるよう、全力で感じて動いていきましょう。

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