「この世は愛の教習所」

（鮫島純子エッセイスト）

“「おかしいな」と思いながら、いつの間にか洗脳されて、言われるがままにキャッシュカードを束ねて、訪ねてきたスーツ姿の男性に渡してしまったんです。…警察にも行って事情をお話ししました。調書を作成なさっている間、待っていたのですが、犯人に対する憎しみや恨みの感情がいささかも湧いてこないんです。「ああ、私はきっと過去世で、いただいてはいけないものをいただいたんだ」という思い、罪をつくった犯人のこれからの人生、母親の悲しみを案じる気持ちしかありませんでした。“

鮫島さんはオレオレ詐欺にあって大金を騙し取られたときに、「過去にこの世で頂いていけないものをいただいたから、今帳消しにして頂いたんだ」と騙されたことに悔やむこともなかったそうです。

そして、悔やむどころか犯人の心配、犯人のお母様をも案じる心の豊かさに感銘を覚えます。

騙されてしまって申し訳ないと、騙されたことを犯人のせいにするのではなく、自分の至らないこともあったのだと反省しているからだと思います。

人はたくさんの人の愛を受け、色々な経験をしていく中で、自分も受け止め、許すことができるようになっていきますから、まさに愛の教習所なのだなと思います。

人生は自分に必要な良いことが半分、悪いことが半分ですから、悪いことをどう前向きに捉え自分を変えていくかで、人生の豊かさが決まってくるのです。

半分の悪いことを前向きに捉えられさえすれば、悪いことは無くなり良いことばかりになり、良いことは最高に嬉しいことになるのです。

起こってしまったことに固執していても良いことはありませんから、前向きに考えて自分をより良くしていきたいですね。

今日もよりみんなの役に立てるよう、全力で感じて動いていきましょう。

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