「麦は踏まれて強くなる」

（小嶺忠敏長崎県立国見高等学校サッカー部総監督）

“うちの地方では麦踏みというのがあるんですよ。麦は少し背丈が伸びたら踏み倒す。一週間くらいたって、また伸びてきたら、また踏み倒す。それを3回くらい繰り返すんですよ。…ある日、母に「どうして何度も麦を踏み倒すの」と聞いたら、「踏まれた麦は上を向いてスクスク育っていくが、踏まれていない麦は冬に霜や雨が降るとしおれてしまって、作物にならない」と。続けて「人間も同じだよ。小さい頃や若い頃に苦労して、踏まれて踏まれて大きくなった人間が将来大物になるんだぞ」と教えられました。“

生き物は全て逆境や苦労を乗り越えることで、強くなっていくことが出来るということでしょうか。

私も「若い時の苦労はお金を出してでもしろ」と教えていただいたことがありますが、その時は「嫌だ」としか思いませんでした。

ただ、今振り返ってみると、結局は苦労して乗り越えたものが自信となり、今を生きる力となっていると感じます。

それに、友人や仲間と話していても苦労したことの方が、笑い話となりいい思い出として語り合えているとも感じます。

「やる」と決めたことをやり切る。そのためにどう行動するか。行動すれば必ず問題は現れます。

その問題にどう立ち向かい、乗り越え、自分の決めたことをやり切ることでしか、人間の成長は無いのです。

問題が起こらなければ変えられないのが人間の性でもありますから、問題から逃げず、自分を変えて乗り越えてきたいものですね。

嫌なことがあれば逃げたくなるものですが、逃げてもまた嫌なことは現れますから、その都度それを乗り越えていくことが大切なのです。

嫌なことは二度と起きてほしくないですから、それを実現するには自分を変え、起きた原因をつぶしていくしかありません。

行動や考え方のより良い変化が「成長」ですから、自分の行動や言動を反省し、具体的にひとつ変えるだけでも成果が表れていくものです。

人生は一度しかありませんから、より良く成長し豊かな人生を築いていきたいですね。

今日もよりみんなの役に立てるよう、全力で感じて動いていきましょう。