「手術の極意は独坐大雄峰」

（佐野公俊明徳会総合病院副院長）

“周りと喋りながら、こうしたほうがいい、ああやったほうがいいんだよと教えながらやっているでしょ。でも、いざとなった瞬間は、そういう雑念は一切消えて、ただそのことに没入している。禅語の「独坐大雄峰」とは、このような心境をいうのではないでしょうか。…術前に手術のイメージを懸命につくり上げて、本当にこれでよいのかと何度も検証を重ねる。そのイメージができていない手術はうまくいきません。それで、いざ手術に掛かれば、迷うこともなく、手は自由になって道具と一体化し、心は何が起こっても平静でいる。手術に臨むイメージを総括すると、こんなふうになるんじゃないか、と当時思ったんですが、それはいまだに変わりませんね。“

不安は誰にでもあることですが、イザやるときには、あれこれ考えるのをやめ、目の前のやる事に集中することが大切だということだと思います。

縫合の練習や切る練習は出来ても手術自体の練習はできませんから、イメージをつくって臨むということが大切なのです。

どんな仕事でも同じで、練習できることと練習できないことがありますから、ああした方が良いかな、こうした方が良いかなと色々なことを考えて準備していくことで、だんだんとイメージがつくられていくものです。

どれだけイメージをつくりあげても、上手くいかないこともありますから、上手くいかなかったらどうするかの想定も重要になるのです。

どうしたら良いかがわからないから不安になったり焦るのですから、想定の範囲内であれば、誰しも落ち着いて対応することができます。

不安な気持ち、失敗すると思って行動すれば、上手くいくものも上手くいかなくなってしまいます。

不安になるのは準備が足りず、自信が無いからだと考え、しっかりと準備し、自信を持って仕事をしていきたいですね。

今日もよりみんなの役に立てるよう、全力で感じて動いていきましょう。

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