「本物の人間を撮る心得」

（藤森武写真家）

“何枚写しても、背筋の伸びた、それでいて味わい深い先生の姿は上手写りません。先生のほうは構えもなく淡々として普通と何ら変わらないのに、上手く撮ろうと上手く撮ろうと邪念が働き、焦れば焦るほど先生が大きく見え、ファインダーの外にはみ出してしまう。…一所懸命になっている私を見て、先生は「写真屋さんって犬猫のような格好をして撮るんだね」と笑っておられる。…本物の人物を表現するには細工をせず、真っ直ぐ撮ることが大事なのだと先生は教えてくれているのではないか、次第にそう考えるようになりました。…カメラのシャッターは単に指で切るのではなくて、自分のすべてを集中させた「心の指」で切るのだということです。もちろん先生が直接そう言ったわけではありません。“

上手くやろう上手くやろうと小手先の細工をしていては上手くいかないもので、全集中で真っすぐに向き合うことが上手くいくコツだということです。

上手くやろうとすると無駄に緊張し体は固くなり、不自然になるものですから、上手くやろうと意識しすぎて緊張しすぎてはダメなのです。

これは人間関係などすべてにおいて、この考え方は通用するものだと思います。

好きな子が出来て意識すればするほど、よく思われようと細工をすればするほど、ぎこちなくなってしまって上手くいかないものなのです。

上手くやりたいならば、上手くやろうとするのではなく、今までやってきた上手くやるためのポイントひとつひとつを意識して素直に実行することが大切です。

絶対に上手くようにしたければ、日頃の積み重ねによって身に付けて、自信を持っておくしかありません。

日頃から全集中で取り組むことで、信じるに足る自分を創り上げ、適度な緊張感で良い仕事をしていきたいですね。

今日もよりみんなの役に立てるよう、全力で感じて動いていきましょう。

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