「悪いが良い、良いが悪い」

（日比孝吉名古屋製酪社長）

“「めいらく」の規模が拡大するなかで、とんでもないハプニングに遭遇したことがありましてね。…市場在庫をすべて回収し、40億円もの返品を抱えただけでなく、関西のスーパーなどから相次いで取引を停止されてしまいました。…生産工程で不良品が続出して困っていたのが、その事故でピタッと出なくなったんです。…だらしがなかった生産部門が、存亡の危機を迎えてしゃきっとしたんですね。あの事故では実質数十億円の損害でしたが、ロスが出なくなったのを計算すれば1000億円以上の利益になったと思います。こういう事故、事件は他の食品メーカーも洗礼を受けていますが、それが会社の蘇生につながっています。みんな必死になる、本気を出す。だから「悪いが良い、良いが悪い」。これが大事なんですね、命まで助かっている。“

事故を起こして、約百数十億円の損害を出したそうですが、それを機に15％〜20％の不良率が、ほぼゼロになったそうです。

悪いことがあったからこそ、理解することができ、心と行動が変わったということで、「心が変われば、運命が変わる」の実例だとも思います。

悪いことがあったときに、落ち込んでいても何も変わりませんから、その事実は受け止め、そこからより良く自分を変えていくことが大切なのです。

悪い結果を招いた自分をより良く変えることに本気で取り組むことこそが、本当の責任の取り方だと思います。

ウィリアム・ジェームズ（米哲学者）の言葉にも、「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。」というものがあります。

結果が悪いと何かのせいにしてしまいますが、その結果は自分の行動が起こしていることで、自分の行動は自分の心が決めて、実行しています。

誰かの言葉や行動で影響を受けるということはあったとしても、自分が選択して決めて実行しているわけですから、自分の責任でしかありません。

悪い結果は結果として受け止め、次は良い成果を得られるよう、しっかりと反省し、前へ進んでいきたいですね。

今日もよりみんなの役に立てるよう、全力で感じて動いていきましょう。

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