「真心尽くせ人知らずとも」

（松原泰道龍源寺前住職）

“お寺か農家に頼んで、一人か二人に分かれて無料で泊めてもらう。… 薪割りをしたり、掃除をしたり風呂焚きをしたり手伝いをして、一晩泊めていただき、翌朝、出掛ける時に、「おばさん、すまないけど握り飯を握ってくれないか」と厚かましく頼むと、気持ちよく作ってくれたんです。…これからどんな苦境にあっても、自分たちは人を騙したり、苦しめたり、要領のいい生き方はやめような。山の奥深くに咲いた桜のように、誰が見てくれようとくれなかろうと、ただただ真心を尽くしていこうじゃないか。私たちはその時本当に感動し、そう誓い合いました。五人の友達でしたが、いまは一人もおりません。その五人とも、誰一人後ろ指をさされる者はなく、人生を終えました。この時の誓いがこの年まで私を支えてくれました。“

10もらったら11を返す。11をもらったら12にして返す。そうやってお互いに感謝の心で礼を尽くすことが大切だということだと思います。

真心を尽くすということは、そもそも誰かに見てもらうためでも、知ってもらうためにすることでもありません。

相手のためにやることですから、たくさんの人に知られる必要すらないものだと思います。

それに、誰もわかっていない、見ていないと思っても、真心を尽くしていれば、必ず誰かは見ていてくれていますし、誰かはわかってくれるものです。

そもそも自分自身は見ていますから、真心を尽くして生きれば、最高の人生だったと自分の心が満たされものです。

真心を尽くせば、必ず相手には伝わりますから、伝わるまで自分を律したり、褒めたりしてやり続けることが大切だと思います。

自分都合の押し付けや自分都合でやったりやらなかったりしていては、あてになりませんから誰の為にもなりません。

自分に打ち克ち、相手のために真心溢れる仕事で信用を積み重ねていきたいですね。

今日もよりみんなの役に立てるよう、全力で感じて動いていきましょう。

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