「理屈でなく、体で覚える」

（西岡常一法隆寺・薬師寺宮大工棟梁）

“祖父は「どこそこの護摩堂の絵様はどんなか見てこい」「あそこの門の蛙股がどうなってるか描いてこい」と言う。私が言われた通りに見てきたことを話すと、「違う」。スケッチを見せても「あかん」と言うだけですわ。「もっとよく見てこい」「あかん」と何回も繰り返しているうちに、祖父の言うことが骨身に沁みて分かるようになってきました。要は、理屈ではなしに、体で覚えるということでしょうな。…これは後で聞かされたことですが、祖父の本当の気持ちは、「人間ちゅうもんは土から生まれて土に返る。木も土に育って土に返るのや。建物だって、土の上に建てるのや。土を忘れたら、人も木も塔もあらへん。土のありがたさを知らなんでは、ほんとの人間にも、立派な大工にもなれはせん」ということでした。“

土台となる基礎をしっかりと身に付けることが大切だということだと思います。

今は何でも簡単に知る事ができる時代だからこそ、体験して自分の技術や知恵として活用できるようにしていくことが大切だと思います。

頭では分かっていても、行動に移すことができなければ何も成果にはなりません。

どんなに素晴らしい考えを持っていても、実際に行動できなければ何も出来上がることはないのです。

人間は機械のようにプログラミングしてすぐに動けるわけではありませんから、動ける自分をつくっていくことが重要なのです。

成功する人は皆さん行動力のある人で、体験から知恵を出し、無理だと思っていたことを実現していますが、実は理屈で無理だと思っていただけで、基礎を正しく応用すれば出来ることばかりなのです。

基礎がしっかりしているからこそ、自分の知識や経験を活かすことができ、土台がしっかりしているからチャンスが訪れた時に掴み取ることができるのです。

基礎をしっかりと身に付け、理屈では分かっていても上手く出来ない今の自分を変え、自分の個性に合わせた上手く出来る方法をあみだしていきたいですね。

今日もよりみんなの役に立てるよう、全力で感じて動いていきましょう。

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