「心の中で二次災害を起こさない」

（鈴木秀子文学博士）

“その青年はトラックの運転手でした。しかし、赤信号で停止中にトコトコ　と前に出てきた2歳の男の子に気づかず、前輪で巻き込み死亡させてしまうのです。意図してやったわけではなくても、法的には過失致死と見なされます。事故を起こして以来、青年は「あと5分出ていたら」「あの場所に止まってさえいなかったらあんなことにならなかったのに」と悶々と悩み、自己を攻め裁くようになります。…弁護士はいたく落ち込んだ彼を見かねて、次のように話しかけました。「人生では何も悪いことをしていないのに、思いがけない災難に遭うことがある。”なぜこうなったのか”と思い悩めば、心の中に新たな二次災害を引き起こしてしまう。だから、とにかくいまやることだけに心を集中し、過ぎ去ったことは考えないようにしなさい。辛い出来事にも深い意味があったと、いつか気づく日が必ず来るはずだから」“

人を死なせてしまうということは、想像以上に心に傷を負うことなのだと思います。

たとえ過失であっても、罪を償って社会復帰しても、心の苦しみから逃れることができないものなのかもしれません。

ただ、生きていればどんなことが起こるかわかりません。

起きてしまったことを変えることはできませんので、事実を受け入れ、それからどう生きるのかが大切なのだと思います。

自分を責めて自分がつぶれることを相手が望んでいるのかどうか考えれば、誰もそんなことは望まないと思います。

何をどうしたとしても事実は変えられませんし、被害を被った人に対し、被害を無くすことなんてできませんから、責めていても仕方がないのです。

事実を受け入れて、そこからどう行動を変え、どう生きていくのか。それを決めることができるのは、自分の意志だけです。

起きた事実を受け入れて、世の中のために自分が変わることで、みんなの役に立つようになることが、被害を被った方への償いだと思います。

事故に大小はありませんが、小さな事故のうちに自分を変え、大きな事故を起こすことが無い様にしていきたいですね。

今日もよりみんなの役に立てるよう、全力で感じて動いていきましょう。

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